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Surface Pro 7+ 導入記

Surface Pro 7+(Core i7,16GB,256GB)を購入した

2018年11月に Surface Pro 6 (Core i5+8GB+256GB)を購入し、5年余り使用してきたが、そろそろバッテリ容量が低下し、性能的にもきつくなってきたので、Surface Pro 7+に乗り換えた。

Surface Pro 7+ は当初は法人・教育機関向けに発売され、その後一般向けが発売されたが、一般向けはCire i5+8GB+128GBのモデルしかない。メモリ16GBのモデルは法人・教育機関のみなので個人では通常買えないが、個人向けに販売している業者を価格.comでみつけ、Core i7+16GB+256GBモデルの新品を、税込 116,130円で買うことができた。

Surface Pro 7+の利点を挙げると、

  1. CPUの世代がSurface Pro 8と同じCore i 第11世代であり、現在でも通用するパフォーマンスがある。Surface Pro 6 の第8世代と比べると、PassMarkで2倍近い差がある。Surface Pro 9でも第12世代なので、1.2~1.3倍程度の差しかない。
  2. その後のSurface Pro 8以降で無くなった、USB-Aポートやmicro SDスロットがある。Surface Pro 9からはイヤホンジャックも無くなってしまった。
  3. Surface Pro 8以降、フォームファクタが変わって大型化し、若干重量も増えた。Surface Pro 7+のほうがコンパクトで軽量である。
  4. Surface Pro 7+以降、SSDが交換できるようになった。

というわけで個人的にはSurface Pro 7+が最良のSurfaceである。

ただし、法人向けモデルを買ったためか、Microsoft Completeの延長保証は購入できなかったので、通常の1年保証のみとなる。

SSDを1TBに交換してみた

購入後、SSD交換できるメリットを活かして、早速 1TB のSSDに交換してみた。SSD交換の事例は、ネット上に多数挙げられており、次の記事を参考にした。

akiba-pc.watch.impress.co.jp

交換用のSSDは、Micron 2400シリーズを選択した(2024年2月当時、13,280円)。

換装手順は簡単である。

  1. あらかじめ32GB以上のUSBメモリに、回復ドライブを作成する
  2. 本体を裏返し、裏蓋にSIMピンを差し込むと簡単に外れ、SSDが露出する
  3. SSDを取り付けているネジをT3トルクスドライバーで外し、SSDを交換する
  4. 念のため、0.5mmのサーマルパッドを貼る
  5. 回復ドライブからWindowsを再セットアップする

負荷のかかる処理をしても内部温度はほとんど上がらないので、ヒートシンクはなくても大丈夫そうだ(オリジナルのSSDは薄い金属製のヒートシンクが貼られている)。

なお、Surface Pro 9用の保守部品として交換用SSDも発売が開始されたので、Microsoft純正の1TB SSDを入手することも可能になった。だが税込33,088円と、かなり割高になる。

www.microsoft.com

最近のSurfaceは円安もあって割高感が高いので、次の機種でSurfaceを選ぶかどうかはわからない。ともあれ、Surface Pro 7+ でまだ数年は闘えそうである。

 

【重要】EBPocket for Android の対象範囲別ストレージ対応について

やむを得ず、EBPocket for Android の対象範囲別ストレージ対応をすることになってしまった。その理由は、

  1. Android 11 以降で外字ビットマップが表示されないという現象が起きるようになった。改修は容易だが、アップデートするためにはtargetSdkVersion を31以上にしないと、Google Playに申請ができない。
  2. 近い将来、targetSdkVersion を31以上にしないと、新規ユーザのGoogle Playにアプリが表示されなくなる(Android11以降の場合)。EBPocketというアプリが、Google Play上から存在しなくなってしまう。

targetSdkVersion を31以上にするということは、対象範囲別ストレージ対応が必須になるということである。要するに、iPhoneみたいに、アプリ固有のサンドボックスと呼ばれる領域以外にアクセスできなくなる。
EBPocketにおいては、これまでのように外部SD上の辞書に自由にアクセスできなくなるということだ。

そこで、EBPocket 1.49以降では次のようになる。

Android10まで

従来通り、ストレージ内の任意の場所を辞書検索パスに指定できる。外部SDカード上の辞書もこれまで通り使用できる。

Android11以降

  1. 辞書の場所は、次のアプリ固有のデータ領域(サンドボックス)に固定される。辞書を追加する場合は、必ずこの配下に辞書を置かないと認識しない
    /storage/emulated/0/Android/data/info.ebstudio.ebpocket/files/EPWING
  2. PCからUSB接続で辞書を転送する場合は、上記の場所に辞書を転送し、「辞書の再検索」を実行する。
  3. 外部SDに辞書が存在する場合は、辞書管理メニューから辞書をインポートする。以下のスクリーンショットを参考にしてほしい。

スライドメニューから辞書管理を選択

辞書管理画面にて、辞書追加ボタンを押す。

辞書をインポートするフォルダを選択する。

アクセスの許可を与える。

辞書が追加される。

かなりの混乱が予想されるが、避けては通れないのでしかたない。今後もEBPocket for Androidの提供を続けるには、Google Playの規約に準拠するしかないからだ。

追記:MANAGE_EXTERNAL_STORAGE 権限について(2024/03/24)

実は、MANAGE_EXTERNAL_STORAGE 権限をつけると、Android10以前のように「すべてのファイルへのアクセス」が可能になるが、Google Playで権限申請フォームから申請して審査が必要である。この記事を書いた後、MANAGE_EXTERNAL_STORAGE 権限をつけて申請してみたが、案の定、審査が通らなかった。

この権限はファイルマネージャ等を想定しているようだが、世の中には音楽プレーヤーやPDFリーダーなどでMANAGE_EXTERNAL_STORAGE を使っているらしきアプリがいくらもある。「MANAGE_EXTERNAL_STORAGE以外の方法では実装できない」理由を技術的に理を尽くして申請フォームで説明してみたが、Googleの石頭には通じなかった。

ところで、MANAGE_EXTERNAL_STORAGE 権限をつけてビルドした「すべてのファイルへのアクセス」が可能な、私家版の EBPocket for Android が手元にあるのだが、さて、これをどうやって配布したものか。

 

EBPocket for iOS クリップボード変更検知によるクリップボード検索

クリップボード検索というと、たいていの方は、「他のアプリと辞書アプリを同時に立ち上げて、他アプリでテキストをコピーすれば即座に辞書引きができる」という利用方法を期待するのではないだろうか。
だが、EBPocketのクリップボード検索は、アプリケーションがアクティブになるタイミングでしか検索できなかった。
このたび、iPad のSplit Viewによるマルチタスク環境において、EBPocket for iOSクリップボード変更検知によるクリップボード検索が、やっとできるようになった。


iOSのペーストボードには、次のように変更を検知する機能が元々ある。

[[NSNotificationCenter defaultCenter]
     addObserver:self
     selector:@selector(pasteboardChanged:)
     name:UIPasteboardChangedNotification
     object:[UIPasteboard generalPasteboard]];

ところが、Split Viewで別のアプリがペーストボードを変更しても、このNotificationは発火しない。このため、てっきり変更検知はできないと思い込んでいた。
ところが最近、「物書堂の辞書アプリではできている」という報告をいただいた。物書堂さんができているなら、EBPocketでもできないはずはない。

色々方法を探ったところ、結局、次の記事の方法で解決した。単純にタイマーで定期的にペーストボードの内容をチェックするだけだ。

stackoverflow.com

1つ注意点は、iOS14以来、他のアプリが書き込んだペーストボードの情報を読み込むと、"EBPocketに○○からペースト"みたいなアラートが表示されることである。
このため、実際に変更された場合だけ読み込むようにしないと、タイマーの間隔毎にアラートが表示されることになってしまう。そこで、ペーストボードのchangeCountを見て、数字が変わったときだけデータを取得する。

実は上記の記事のコードには、一部コンパイルできない箇所があるので、実際に使ったコードを以下に示す。
クリップボード監視を開始するときにstartCheckingPasteboardを呼び、終了時にstopCheckingPasteboardを呼ぶ。

@property (strong, nonatomic) NSTimer   *pasteboardCheckTimer;
@property (assign, nonatomic) NSUInteger pasteboardchangeCount;


- (void) startCheckingPasteboard{

    _pasteboardchangeCount = [[UIPasteboard generalPasteboard] changeCount];


    //Start monitoring the paste board
    _pasteboardCheckTimer = [NSTimer scheduledTimerWithTimeInterval:1   //  1s間隔
                                                     target:self
                                                   selector:@selector(monitorBoard:)
                                                   userInfo:nil
                                                    repeats:YES];
}

- (void) stopCheckingPasteboard{

    [_pasteboardCheckTimer invalidate];
    _pasteboardCheckTimer = nil;
}

- (void) monitorBoard:(NSTimer*)timer{

    UIPasteboard *_pasteboard = [UIPasteboard generalPasteboard];
    NSUInteger changeCount = [_pasteboard changeCount];
    if (changeCount != _pasteboardchangeCount) { // means pasteboard was changed
        _pasteboardchangeCount = changeCount;

       if ([_pasteboard hasStrings]){
            NSString *newContent = _pasteboard.string;

            [self tryToDoSomethingWithTextContent:newContent];
        }
    }
}

- (void)tryToDoSomethingWithTextContent:(NSString*)string{
    //    取得したペーストボードの内容で処理を行う。

}

 

iOS16のペーストボードの挙動について(EBPocket for iOS)

iOS16以降、他のアプリケーションでコピーした内容をペーストボードからペーストしようとすると、許可を求められるようになった。EBPocketでクリップボード検索をすると、次のような確認ダイアログが毎回表示され、非常にうっとうしい。

iOS16.0.2で「一部のユーザーにプロンプトが過剰に表示される問題」を解決したというアナウンスがあったが、EBPocketには効果が無かった。

iOS16.1からは、挙動を変更するオプションが設定画面に表示されるようになった(一度でもペーストの許可のダイアログが表示された後、オプションが表示される。初期状態ではオプションはない)。

設定アプリケーションからEBPocketを選ぶと、次のように「ほかのAppからペースト」という項目が追加されており、確認・拒否・許可から選択できる。

ここを許可にすると、確認ダイアログは表示されなくなる。ただし「"EBPocket"に○○からペースト」というメッセージが短い時間表示される。

 

読書尚友の注記対応、その他

読書尚友 Android版の公開から10年経っても、いまだに未対応の注記が見つかるので、徹底的に問題を潰したいと思って、下記の公式の組版案内に基づいて対応状況を調べてみた。

kumihan.aozora.gr.jp


青空文庫 組版案内

その結果、新たに対応した注記は以下の通り。

  • 「字詰め」中の「囲み」「地寄せ」(『蟹工船小林多喜二、『不連続殺人事件』坂口安吾)
  • 「ここから○字下げ、折り返して●字下げ」
  • ブロックでの「地付き」「地寄せ」
  • 「○段階小さな文字」(あるいは大きな文字)の入れ子(『他計甚麽(竹島)雑誌』松浦武四郎

最終的に、読書尚友で完全に対応できていない注記は以下のみだと思う。

  • 改丁、改段(いずれも改ページとして処理する)
  • 窓見出し(同行見出しとして処理 ※実例はほとんど見たことがない)
  • 縦中横(ただし2桁の数字は自動縦中横で表示するので、ほとんど対応)
  • キャプション(本来は図の下に表示するが、左側に表示している)

さて、注記対応と同時に、有償版の本棚に登録しているお勧め図書一覧も更新した。この10年で重要コンテンツが増加し、見直しが必要になったからだ。(吉川英治山本周五郎米川正夫訳のロシア文学等)
100冊に絞りたかったが、どうしても絞りきれなくて以下のラインナップになった。まずまず無難なところだと思っているが、どうだろうか。

http://ebstudio.info/manual/BookViewer/internal.html

読書尚友 AndroidX対応

Android ではOSバージョンの下位互換性を確保するためにサポートライブラリというものがある。例えばFragmentはAndroid OS3.0から導入された機能だが、それより以前のAndroidの利用者はFragmentを使ったアプリを実行できない。そこで、標準ライブラリ版のFragmentとは別にサポートライブラリ版のFragmentがあり、サポートライブラリを使うと過去のAndroid OSでも実行することができる。サポートライブラリは便利なので、新機能の追加はほとんどサポートライブラリで提供されてきた。
ところがAndroid OSもバージョンを重ねる毎に、サポートライブラリも肥大し続け、複雑になりすぎたため、Googleはサポートライブラリのメンテナンスを28.0で打ち切り、AndroidX( Android Jetpack )という新しいライブラリを導入した。今でもサポートライブラリを使用することはできるが、なるべくAndroidXに移行することが望ましいとされている。(Android Jetpack はkotlin言語からも利用できるように設計されている)

今回、読書尚友をAndroidXへ移行させたので、防備録として手順を記録しておく。といってもほとんどGoogleの推奨の手順通りで移行できた。

developer.android.com

  1. 移行する前に、サポートライブラリの最終版であるバージョン 28.0.0 まで上げる。
  2. Android Studio 3.2以上では、AndroidXへマイグレーションするツールがあるので、これを使用する。
    メニューバーから [Refactor] -> [Migrate to AndroidX] を選択する。変換候補が表示されるので、 [Do Refactor]を押して実行する。大体はこれだけで変換できる。
  3. 変換漏れがあった場合、.java と .xml 内のパッケージ名を、個別にサポートライブラリのパッケージ名から対応するAndroidXのパッケージ名に修正していく。(クラス名は共通なので変更の必要は無い。)

読書尚友の場合、android.support.v4.*は変換できたが、なぜかandroid.support.v7.*が変換されずに残ったので、手作業で修正が必要だった。全体的にはスムーズにAndroidX化ができた。

なお、AndroidXとサポートライブラリのパッケージ名の対応は以下の通り。

developer.android.com

AndroidXを利用するメリットとして、Android Jetpackの新しい機能が利用できるようになることがある。たとえば、Jetpack Composeという新しいUIツールキットがある。これはSwiftUIのような宣言型のフレームワークであり、より簡単にUIが書けるようになることが期待されている。
もっともCompose自体がまだ頻繁にアップデートされている状態だが、部分的に導入できればいいと思っている。

EBPocket Free for iOS 5年ぶりに更新

Googleから、「Google Mobile Ads SDK のサポート終了スケジュール」というメールが届いた。

developers.google.com

ようするに、Google Mobile Ads SDKにはサポート期間があり、新しいバージョンが出ると3世代前のバージョンのSDKは広告が配信されなくなる。Google Mobile Ads SDKを用いて広告を表示しているアプリは、アップデートを怠ると、広告の配信が止まって広告収入が途切れてしまうと言うことだ。

慌ててGoogle Mobile Ads SDKのバージョンを調べてみると、次のようになっていた。

  Ads SDK サポート終了日 廃止日
EBPocket Free iOS 7.1.0 2022年9月30 日 2023年第2四半期

EBPocket Free for iOSは、このままでは来年第2四半期で広告が止まってしまうので、Google Mobile Ads SDKのバージョンを v7 から v9 に上げることにした。さすがにメジャーバージョンが2つも違うと、関数名や定数名が変わっていてそれなりに対応は大変だった。

EBPocket Free for iOSは最後のリリースが2018年1月で、なんと5年近くもアップデートしていなかったことになる。さすがにソースが古くなったので、現在のEBPocket Pro for iOSのソースからFree版を再作成した。おかげでダークモードやApp Extension による共有など、新しめの機能を追加することができた。

なお、App StoreGoogle Playも、アプリ名称に "free" という価格を表す文字列を入れることができなくなっているので、EBPocket Freeという名称では提出できない。このため、フリー版のアプリ名を、 * Lite に統一することにした。

EBPocekt Lite for Android
EBPocekt Lite for iOS
読書尚友 Lite for Android

EBシリーズについて、今後大きな機能追加は考えていないが、OSのバージョンアップに伴う改訂は可能な限り続けるつもりでいる。