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僕は明日、昨日の君とデートする

青春恋愛映画の名手といわれる、三木孝浩監督の最新作。この監督のすべての作品を見たわけではないが、『陽だまりの彼女』『くちびるに歌を』は特にお気に入りである。今年は『青空エール』とこの2作品が公開され、三木監督ファンとしてはうれしい限りだ。
美大生の主人公は通学電車で出会った初対面の彼女に一目惚れする。とんとん拍子に理想的な恋人同士になるが、彼女には秘密があり、なぜか彼の未来を知っているようだった‥
ファンタジー色の強い作品で、ネタバレすると、彼女は平行世界からきた別の世界の住人であり、5年ごとに40日しか滞在できないというルールがある。二つの世界はそっくりだが、時間の流れが反対であり、彼が5歳の時彼女は35歳、彼が10歳の時彼女は30歳、彼が15歳の時彼女は25歳‥という関係になっている。二人が同じ20歳で会えるのは、現在の40日しかない。物語を成り立たせる舞台装置を理解すると、この40日の物語がとてもせつなく、貴重で愛おしいものに見えてくる。
時間の流れが逆なら会話も全て逆回しになるはずじゃないかとか、SF的考証がどうとかは、ファンタジーだから棚上げしていい。たぶん二つの地球は公転が逆で自転方向が同じということにしておこう。素直に感動できる良作に仕上がっていた。
原作者はいわゆるライトノベル出身だが、作者自身の経験や年輪が加わってくると、純文学や文芸作品との差はなくなってくる。むしろ現代では、漫画原作やライトノベルの作者のなかに、昔であれば文豪になったような才能が集まっているのかもしれない、と感じた。