hishidaの開発blog

EBシリーズ(EBPocket,EBWin,EBMac,EBStudio),KWIC Finder,xdoc2txt,読書尚友の開発者ブログ

楽天kobo

なにかと話題の楽天kobo を購入した。値段を考えればお買い得の電子書籍端末だと思う。
もちろん、電子書籍の普及で一番大切なのは、端末の性能ではなく、ストアにどれだけ読みたい本があるかであり、楽天kobo の現状がお寒いことは言うまでもない。「世界最大級の電子ブックストア」「240万タイトル以上」の言葉を鵜呑みにして飛びついた方は、さぞ落胆されたと思う。
私の場合は当初から縦書きEPUBの実証実験が目的だったので、micro SDで自炊EPUBが入れられるkoboはうってつけの端末である。(楽天トラベルの利用でたまっていたポイントが消化できたこともラッキーだった)

E-Inkは画面の書き換えが遅い特性があるが、Sony Reader等と違って画面全体のリフレッシュを6回に1回しかしないので、意外に画面の表示が高速に感じられる。液晶とは違うのは当然だが、それほどストレスは感じなかった。問題はやはり日本語対応の部分にあった。

まず自作のepubの導入の方法だが、(1)USBで接続してエクスプローラで本体の内蔵SDにドラッグアンドドロップする、(2)SDカードにepubをコピーして本体に挿入する、のどちらでも大丈夫。SDカードのサブディレクトリの中にepubを入れてもきちんと認識した。

縦書きにする方法自体は、cssに以下の記述を入れる:

html {
font-family: "HiraMinProN-W3", "@MS 明朝", serif, sans-serif;
writing-mode: vertical-rl;
-webkit-writing-mode: vertical-rl;
-epub-writing-mode: vertical-rl;
}

epubを作成するソフトにはSigilが有名だが、EPUB3には非対応。単に青空文庫をEPUB3に変換するだけならAozoraEpub3がお勧め。(今回の実験は社内文書の閲読が目的なので、非公開の自作ツールを用いている)

koboへの縦書きEPUBの導入でつまづいたことを列挙すると:

  • 日本語のepubの文字が全て□になる:
    →デフォルトフォントを日本語フォントに指定すると表示された
    (拡張子が.kepub.epubだとデフォルトフォントでも日本語になるようだ)
  • 表紙の日本語が文字化けしたり、まったく空白で表示される:
    →拡張子を .epub から .kepub.epub に変えれば、metadataから生成した表紙が表示される
  • 拡張子が.epubなら栞が使用できるのに、.kepub.epubにすると栞が無効になる:
    →全ての段落の要素に、id属性をつけると解決した( p, divなど、タグ自体はなんでもいい。AozoraEpub3はspanタグを挿入しているが、これは青空文庫が構造のないテキストだからだろう → spanタグでないと検索結果の表示がされないようだ)。
  • ページめくりの方向が左から右になる:
    epubのパッケージの.opfファイルのなかで、spine要素に page-progression-direction="rtl" 属性をつける

これで縦書きEPUBが快調に読めるようになったが、(楽天の対応も含めて)気になる点をあげると...

  • 500冊くらいSDカードに入れると、ライブラリの更新に10分近くかかる。最小限読みたい本だけを入れて持ち運ぶ使用方法が向いているかもしれない。
  • 書籍がフラットに並ぶので、本を探すのが難しく、検索を多用することになる。並び替えの条件に「ファイル名順」がほしい。本棚を活用すると整理できるが、動作が遅く、端末で作業するのは無理がある。(デスクトップアプリでできればいいと思うが、できない。)
  • 日本語テキスト(.txt)が文字化けするのは直してほしい。プレインテキストがそのまま読めるのと、毎回epubに変換する必要があるのとでは、使い勝手が違いすぎる。
  • koboの利用にはデスクトップアプリが必須だが、これが使いにくい。起動するたびにサーバーと同期するので、長時間、待機カーソルを見ないといけない。また、書籍の言語が選択できない(日本語と英語の本が混じって出てくる)、書籍の価格がクリックしないと表示されないなど、UIも最悪。(楽天Webサイトのほうが使い勝手がいいので、Webから購入した書籍の同期にだけ使うのがいいかも)
  • ストアの評価レビューのネガティブコメントを「お客様を混乱させる」として全て削除したのは、前代未聞の対応。クレーム処理として絶対やってはいけない情報の隠蔽である。


なんにせよ、自炊の用途であれば、koboはよい買い物だった。あとはストアが拡充されることを気長に待とう。